2019/03/01 発売開始のエソテリック Grandioso P1X/D1X は、進化したVRDSメカ(VRDS-ATLAS)と完全自社設計の新 64bit DACを投入という力の入った新製品ですよね!これは聴かなければ!!!と思って、ダッシュでSISさんに試聴しに行ってきました。タイミング良くdCS Vivaldiと比較試聴出来たので、相手に不足無しです!
【外観&機能】
商品情報の詳細は
ココに。トラポもDACも2筐体なので、最低4筐体。内蔵クロックも高精度のVCXOなので悪くないですが、外部クロックも追加すると5筐体(^^;) 当日はパンフレットは、まだ出来上がって無くてカラーコピー版(内容はWebにあるpdfと一緒)でした。
今までのデザインを踏襲していますね。でも、ここまでの製品だとポルシェデザインあたりにデザインを外注しても良いかも?と思ったり。ありがたい事に、クロックまで入れた5筐体のフル構成で試聴出来ました。ただ、当日に持ち込まれたばかり(数時間は鳴らされていました)なので、1-2日置けばもっと良くなるかも?
比較相手は、おなじみ?なdCS Vivaldi です。Clockは、Scarlatti
Clockが使用されていました。こちらは、フル構成だとTransport + UpSampler + DAC + Clock
の4筐体。写真にアップサンプラーあり(左下)ますが、接続されてませんでした。DACは試聴時に設定変更して聴いています。ちなみにですが、DACの設定でかなり音が変わります。M1F2だとScarlattiに近い印象です。
【試聴時の構成】
SPはYG Sonja2.2なので分かりやすかった(担当さんに感謝)です。パワーアンプは、SPECTRAL(
DMA-280かな?)、プリは
QUALIAだけど、お店の在庫&入荷みるとINDIGO Line Amplifierだったのかな!? すごい構成だった( ・_・;)
ただ、写真の様に背部にスピーカーが林立している環境(それでも上手く鳴らされていました)なので、厳密な定位とか奥行表現は評価難しい部分もありました。とは言え、dCS Vivaldi DACと
YG Sonja2.2(ウチのもアップデート済みです)は家と同じなので、比較しやすかったですね。
【VRDS-ATLASメカ】
気になる新旧メカの見本もありました。右が新VRDS-ATLAS です。見ての通り全くの新規開発で、旧タイプが貧弱に思えるほどガッチリなのは勿論ですが、モーターも上から下に移動していたりと、大幅改善でした!持たせて頂きましたが、新メカは重いです。パンフレット見たら、13.5kgだそうです。メカだけでですよ(^^;)
【自社設計の新 64bit DAC】
新DAC回路の見本もありました。もともとメカを作っているのが、エソテリックの強さだと思いますが、社外のチップでバカ高い製品だされても燃えないんですよね。あと、個人的には旭化成とかESSよりAD1955やPCM1704が好き(つまり
Esoteric X-01D2の世代が好き)で。。。
それが、今回は自社開発のDAC回路で期待大です。チップが円上、等距離に配列されているを見るだけで、音が良さそう!って思いますよね。ただ、DACは暖まるのに少し時間がかかる(1-2時間)ので、常時通電しておいた方が音的には良さそうです。
【音質】
一言で言うと『濃密』ですね。性能不足を濃さで色づけして誤魔化しているのではなくて、性能はシッカリで濃い描写でした。物量投入が効いているのだと思います。ちゃんと旧Grandiosoを聴いたこと無かったんですが、今までのエソテリックのイメージとは少し違うかも。少なくとも、X-01D2やK-1Xのイメージとは印象違うと思いました。これ以上無いぐらいに物量投入されていますが、単に力押ししてくるタイプじゃないですね。PlaybackDesignとかWeissの方向性に物量投入が合わさって素晴らしい製品だと思いました。
CDの再生レベルは、かなり高いですね。特に、ボーカル表現が素晴らしいです。空間描写も、うまく濃いめで気持ちいい。音の粒を感じるタイプでは無く、個々を微細にキッチリ定位させて描くというより、全体を描く感じでした。
SACD再生は、CDに比べると大幅アップという感じは無く、悪くはないのですが少し物足りない感じでした。SACDだと、もっと分離させて情報量を活かした描写をして欲しいとも。最低域の沈み込みやキレも少し物足りないと感じましたが、情報量などと併せて1-2日待てば改善しそうな気がしました。
dCS Vivaldiで聴くと、いつもな感じです(^^;) クオリア&スペクトラルとの組み合わせだと、(電源環境とかセッティングも併せてですが)スピード感悪くないがエアーほどじゃ無い感じで、定位とか甘めで少しふんわり系な印象でした。最低域の駆動力や沈み込みももう少し欲しいかもですが、セッティングで詰められそうな感じもします。
P1XD1Xと比べCDでも情報量は多く音も分離する感じですね。キレやスピード感はVivaldiの方が良いですね。グイッと音像を描いて、空間全体を絵画的に描写するP1XD1Xと比べると、空間に個々の楽器をきちんと配置して、細部を描き音像にリアリティを与えようとするタイプ。気持ちアッサリというか、P1X/D1Xの方が気持ち暖色で濃いめな描写でした。最低域はVivaldiが優位ですが、Vivaldiの方が4-5日早く入荷しているので、その分はあるかも。SACDは、やはりdCSが強いですね。情報量が一段増えて、そのまま描写がより繊細に鳴る感じです。
【まとめ】
過去に視聴してきたMSB Reference DACやCHのセットとも併せてのイメージだと、dCSやMSB、CHは写真的な描写だと思います。ただ、dCSはデジタルではなく、リバーサルフィルム的な雰囲気、それもハッセル的な良さを感じますね。分かる人にしか分からない例えですけど、色味はベルビアじゃなくプロビアって感じで。CHやMSBは、同じ写真でも最新フルサイズのデジカメって印象かな。
それに比べると、新しいP1X/D1Xは絵画的で説得力のある表現です。物量投入で性能を前面に押し出した力押しかと思ったので、良い意味で裏切られました。高い基本性能に基づいた濃密な表現、特にボーカルが素晴らしかったです。高価なシステムではありますが、海外のトップクラスと戦える実力機でした!
今回も楽しく読ませていただきました。エソテリックは粒状性の細かい高解像度のイメージがあったので新しいグランディオーソが絵画的というのは少々驚きました。フィルムを使っていた頃はリバーサルを好んで使っていましたから自分がdcsを選んだのは必然だったのかもしれません。ただしクラシックには何の不満もありませんがジャズにはもう少しラティチュードの狭いコダクローム64的メリハリさを求めてしまいます。ハッセル的良さとはよく言い当てていると思います。
性能はしっかりで濃密というのはハイエンドCDの世界では新しい方向性なのかもしれませんね。
投稿: 北の信者 | 2019年3月 1日 (金) 23時09分
北の信者さま
いつもありがとうございます。音を厚くしたりせずに、濃密な感じを受けたので物量のパワーかなぁ?と。今までに無いエソテリックのイメージだと思いました。注目機種ですね!
dCSの印象同じような感じで安心しました。クラッシックや女性ボーカルだと、dCSの持ち味は120%発揮される感じですね。ジャズ、特にブルーノート的なのだと、おっしゃる通りdCSは上品すぎるかも。まさにコダクローム64のコントラスト感というか、鮮やかさとは違う色の濃さが欲しい感じです。
投稿: オーディオ目玉親父(messa) | 2019年3月 4日 (月) 14時40分