久々の更新は、コンサートのご報告です。行ってきたのは、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の定期公演を楽友協会の大ホール(通称?黄金ホール)で聴いてきました。指揮はHerbert Blomstedt氏で、ドボルザークの交響曲第7番。オーケストラもですが、指揮も演目も凄いみたいですよ?(猫に小判状態だったので、事前にアドバイス頂いて曲のCDを買って予習しました)
行動に移したきっかけは、クラッシックはホールも込みでの音だからオーディオ的な評価するにしても、現地で聴いてみないとダメなんじゃ?って思ったからで。クラッシック音楽ファンからは怒られそうですが。。。
上の写真はウィーンフィルの本拠地である楽友協会の正面。目の前に見ると、ド素人でもテンション上がりました。1870年に建てられたそうですが、現役でフル活動(ウィーンフィル以外にも観光用?なモーツアルト楽団のコンサートが連日開かれてるみたい)してるのが凄いですよね。なお、当日は曇り(朝まで雨)で、当時の気温 17-16℃、湿度 57%、気圧 1022hPaでした。
ちなみに、2018/2019シーズンの開幕公演でした。基本的に定期公演は年間席で先祖代々席を維持してたりするので、一般に発売されるのはごく少量の席と立ち見席だけらしいです。
入り口入ってすぐのホールです。きれいですよね!ちなみに、地下にカフェとトイレがありました。なお、小さなバック以外はクロークで預けるように言われました。さて、ホールの入り口で記念にパンフレット(ドイツ語のみ)も買って中に。。。
うわ!これは黄金ホールって言われるだけありますね。天井画もシャンデリアも凄い。。。
壁はたぶん漆喰です。左右にボックスシートがあります。
ステージの様子です。公演終わってから写真撮りました。濃茶色のシッカリした木材の床でした。
ブレちゃってますが、床と椅子です。前後の間隔は狭くぎっちりな感じです。床も硬そうな木材でした。
こちらは演奏後に撮った後方の写真です。1階席の後ろは小さなホールになっていて、公演中は立ち見の方がギッシリでした。ちなみに、オケの右後方にも立ち見の方がギッシリいてビックリ。上に2階席と3階席(客席は多くない)がありました。1階席の上に2階席が重ならない構造ですね。
音響的には、けっこうデットで予想外。ホール中央と後方で(かなり勇気出して)手を叩いてみましたが、ほとんど響かず音が吸われる感じ。家より明らかに響きません。かなり満員なのもあると思いますが、ウィーンフィルの公演は常に満員でしょう。ちなみに、音の消え際はスーッとと言うよりフワッと無くなる感じです。
なお、
楽友協会のHPには、長さ48.80m、幅19.10m、高さ17.75mとのこと。天井は釣られており、床下にも空間があることで響き、ホール全体が共鳴するとありました。ホールとしてはコンパクトな印象で、席は1階のかなり後方で少し高くなり始める場所(見晴らし良い)でしたが、舞台まではけっこう近く感じました。
客席から公演終了時に撮った写真です。演奏については、語れるレベルでは無いですが、思った以上に凄い。CDで聴いてたより明らかに感銘を受ける演奏でしたね。写真は、しばらく拍手続いて満場総立ちになったところ。残念ながら、アンコールはありませんでしたが、何度もヘルベルトさん出て来て挨拶してくれました。
後方の席な為かエッジ効いた迫力ある音とかじゃ無く、あたりは柔らかく優しい明るめな音でした。以前に、
ロイヤル・フィルの70周年記念公演をRoyal Albert Hallで聴いた時(有名演奏家目当て)は、かなり前だったので解像度とか定位を意識したのですが、今回はハーモニーというか音の大きな流れを感じました。全ての楽器の音と音が分解せず融合して音の奔流になる感じと表現すれば良いのかな。当たり前でしょうが、音と音のズレとか歪みは皆無。ここら辺は、さすが名指揮者&ウィーン・フィルってとこでしょうか。
周波数特性的にはフラットに感じました。50-60Hz以下の低域は盛り上がって無い感じで控えめな印象です。オーディオ的には、クラッシックは(めちゃオーバーに言うと)どわ~んと低域が広がる感じが良いのかな?と思っていたので、これも想定外。うちのオーディオは、もう少し低域の量感があっても良いのか?とも思ってたのですが、今回コンサートに行けたおかげで今でも十分かなぁ???
ちなみに、目安の残響時間は容積にて変わる(大きいほど長め、容積で感じ方が変わる?)とされ、オーディオルームでは0.4-0.7s程度、コンサートホールで2s程度らしいです。(参考①②) サントリーホールの残響時間(リンク先に多数ホールの残響時間あり)は、容積21,000m3で2.1sと。なお、今回の黄金ホールは計算すると16500m3で、サントリーホールより一回りコンパクトみたい。自宅は部屋全体では120m3で中低域から高域まで残響時間0.3-0.35s。オーディオルームとしては数値的には短めですが、来られた方はけっこうライブとのご感想が多いです。
コンサートホールの残響時間は、空の状態で設定&測定していると思われ、満席の状態(吸音材たっぷり)ではかなり残響時間短くなっていて、コンサートを聴いている時とは乖離があるのでは?と思いました。
【まとめ】
当日の条件:気温 17-16℃、湿度 57%、気圧 1022hPa
ホールの構造と音響:長さ48.80m、幅19.10m、高さ17.75m。釣り天井(による空間)と床下の空間が響き共鳴する構造。超満員のためか思ったよりデットで残響時間は短く感じる。当日は前日夜から朝まで雨で湿度が高めだったことも影響していたかも。ただ、拍手の音はふわっと儚げに消えて質的には素晴らしかった。
サウンド:音色は明るめで上品な質感。席が後方の為か、音のあたりは柔らく、エッジや解像感を意識させる音では無かった。ほぼフラットで、50-60Hz以下の低域は控えめに感じました。
小生は海外のホールは未経験ですが、楽友協会ホールで聴けたとは羨ましい限りです。しかもブロムシュテット指揮のウイーンフィルとは夢のようです。
ヨーロッパの銘ホールをオーデイオ的観点から眺める記事、楽しく読ませていただきました。写真を拝見するとホールの床面積は相当狭いので普通ならかなりのデッドな響きになりそうですが、比率的に天高が高いのでトータルとしてバランスがとれているのかなと思いました。拙宅も天高があってややライブですが確かmessaさんのお部屋も天井が高かったはず?(間違っていたらごめんなさい) 小生の拙い経験では天井の高いお部屋は実測よりも「ライブに感じる」ような気がします。
「オーディオ的には、クラッシックは(めちゃオーバーに言うと)どわ~んと低域が広がる感じが良いのかな?と思っていたので、これも想定外。うちのオーディオは、もう少し低域の量感があっても良いのか?とも思ってたのですが、」というところは小生も日ごろから思っていたところで大変参考になりました。
投稿: 北の信者 | 2018年10月 8日 (月) 16時45分
北の信者さん、コメントありがとうございます。
オーディオシステムに被害無かったようで安心しましたが、北海道の地震大変でしたね。余震まだ続きそうですから、くれぐれもご用心お願いしますね。って、そのうちこっちも大きな地震来そうで怖いですが。。
ホールはけっこうコンパクトに感じました。その中に人がギッシリだったので、かなり吸音材ありな状況だったと思います。天井は高くて豪華でした。天井高いとライブな感じになるのですね!うちもオーディオある部分は天井5mぐらいあるので、実測よりライブな感じになっているのかも。あと、反射音の質も大事だなぁと思って、壁に絹を貼ったり、簡易的な漆喰のパネルみつけたので、試してみようと思っています。
コンサートは猫に小判状態でしたが、今回は思ったより良い経験になりました。北の信者さんお忙しいと思いますが、お時間とれたら是非ぜひ。その際はご感想教えて頂けると嬉しいです!
投稿: オーディオ目玉親父(messa) | 2018年10月 8日 (月) 22時12分
ムジークフェライン行かれたのですね!
私も新婚旅行で行ったのですが、その時は観光客目当ての仮装オケしか聴けませんでした(^^ゞ 羨ましい…。
それでもホールの音の印象はmessaさんとほぼ似ているので、行った甲斐はあったかな、と。
床は結構柔らかい(らしい)ですよね。
ドン!と踏んだら結構響きました(^^ゞ
現代オーディオの主流とは逆な感じですが、これが音楽の抑揚表現に一役買っているとか。
全て師匠方からの受け売りですが、それもあって部屋の形をシューボックス型&床も普通に作りました。(でもスピーカーから先はちょっと補強をいれてます)
投稿: たび | 2018年10月 8日 (月) 22時19分
たびさん、コメントありがとうです(^^)/
新婚旅行でウィーンっていいですね!ムジークフェラインは、観光用のコンサート連日やってるのが凄いですよね。でも、会場の音響とか床とか壁を確認するのは、観光用の方が良かったかもですよ。ウィーンフィルのコンサートでやるのは、かなり気まずかったです(^^;)
床の下に空洞あるのは帰ってから知ったのですが、確かに男性の靴音は女性のヒールの音に比べて響いた印象があります。中低域を持ち上げているのかな???たびさんのお部屋はキッチリ作られてますから凄いですよね。うちは、リビングルームなので問題おおいのですが、改めて残響とか反響の質とか対策しなければと思っています。
投稿: オーディオ目玉親父(messa) | 2018年10月 9日 (火) 17時49分