YG Sonja XV jr. 超弩級スピーカー!
2016/12月に発表されたYG Acoustics Sonja XV jr.の試聴レビューです。うちで使っているソーニャの上位モデルとして登場しました。同じYGユーザーとして気になっていたので、日時と場所を変えて試聴しています。また時間見つけて行きたいと思っていますが、一度まとめておくことに。試聴での感想ではありますが、Sonjaは家でしか見たことも聴いたこと無いので、家のスピーカーより色々な環境で聴いているかも(^^;)
# Sonjaからの変更点
なんと言ってもウーハー・タワーが増えて左右で4本!?になってビックリ。ウーハータワー追加って、かなり力業な感じですよね。しかし、個人的に今回の大きな変更だと思うところはツイーター。今まではソフトドームでしたが、アルミを三角のリブ状に削り出し、ソフトドームとのハイブリットに変更(下の写真です)となっています。
また、ユニットもツイーター(1個)、15cm(2個)、26cm(1個)の構成からツイーター(1個)、15cm(2個)、18cm(3個)、26cm(2個)となり、新たに18cmミッドが3個追加に。今までは1750-65Hzの広い範囲を15cmミッド2個で鳴らしていたが、1750-337Hzまでを15cmミッド・ハイ2個、337-65Hzを18cmミッド・ロー3個で鳴らすように変更となっています。代理店によると、ユニットにかかる負荷が減り、中高域の表現力が増したそうです。
# デザインとサイズ
基本的な造型はSonjaを引き継いでいます。ただ、ウーハータワーは本体より横幅があり、4本並ぶ存在感は抜群。スペック表には無いですが、実測ではウーハー・タワーが幅37cmで本体より太く迫力満点。メイン・タワーのサイズはSonja1.2と同じなので、幅330mm 奥行495mm 高さ1285mmのはず。重量もスペック表に無いですが、YG Acoustics Sonja1.2は1本 146kgで、XVは4本なので、値段はポルシェ・フェラーリで、質量も軽自動車並みに進化しちゃったみたいです!?(StereoSound誌に載っていました。メイン:W330D635H1285, 135kg、ウーハー:W370D610H1285, 110Kg )
デザイン的には4本になったより、本体にユニット6個並ぶ感じが個人的には生理的に微妙な感じ。とは言え、各社の超弩級スピーカーに負けない危険なオーラを放つようになりましたね。
# 接続
本体の1段目と2段目に切れ目付近にSP接続端子が3個(ツイーターとミッド、ロー)まとまっていました。YGとしてはバイワイヤ接続が推奨とのこと。ウーハータワーにはネットワーク無く、本体の下部にある端子からジャンパー線でウーハーに接続されていました。分かりにくい写真ですが、上にある赤とシルバーの端子3個がSP接続端子。下の方で青と緑の線が接続されいる所がジャンパーの端子です。フルSonja XVは3段で、メイン・タワーの3段目にウーハーがあるからだと思いますが、jrだとメインとウーハーが別なので、ジャンパー線で取り回す必要があるのは気になるところ。
# 配置&セッティング
試聴位置から等距離になるように4本設置した方が良いのかと思いきや、ウーハータワーは本体より下がっておくのが推奨とのこと。ウーハータワーを本体の外側か内側のどちらに置いた方が良いかは、部屋によって変わるようです。ただ、試聴位置からウーハー正面が見えている必要はありそうですね。
セッティングは、まずウーハーが内側か外側が良いかを試してみる。次いで本体を合わせてから、ウーハータワーのセッティングを詰める方が良さそう。おそらく本体は単体のSonjaと同じように、試聴位置の少し後ろでクロスするように設置し微調整。その後にウーハーの調整ですが、そこまで設置の自由度は無く主に前後に動かして微調整する感じ大丈夫とのことでした。
全部で4本配置するとか絶対無理!って思いましたが、代理店で聴かせて頂いた時は、本体とウーハーの設置面積は横84cm縦115cmに収まっており、意外と不可能でも無いかな?という感じです。
# Sound Impression/音質
一番のインパクトは空気感、臨場感の凄さ。鳴りだすと部屋を無視した大きな空間が現れ、空気感や臨場感に圧倒されました。ライブ物だと収録時の空間そのものが再現されるような感覚で、今まで感じたことがない世界を描き出していました。本体とウーハータワーで、部屋の空気全体を動かすことで、圧倒的な空気感を描き出しているのかも。通常と違いツーターの高さにもウーハーがあり、上下の広い範囲で低域が出るのもポイントかも。別件で聴いたNautilusも臨場感が凄かったのですが、同じ「臨場感」でも種類が違う感じですね。
この出で立ちですから当たり前だと思いますが、レンジは上下共に最高レベル。音数も非常に多く、抜群の解像度と分解能、そして全域でフラット&ハイスピードで整っていました。他のYGとも共通ですが、全くにじみの無い音で厚みや量感を感じる音ではありませんね。何より超低域まで中高域と同じ質感と解像度を保ち普通に出してくるのが恐ろしいところです。
SIS店頭だと壁際の試聴位置でセッティング(壁際から一歩前で聴きたい)されており、定在波の影響を大きく感じました。代理店で聴かせて頂いた時は相当良かったのですが、アンプが相対的にパワー不足な感があり鳴らし切れていない感じでした。セッティングも追い込めてはいないと思うので、どうしても家と比べると音が合って無い感じがありました。しかし、それでも音は非凡であり、巨大で超ワイドレンジ&フラット&ハイレスポンスなフルレンジスピーカーのようです。Sonja単体でも同じ印象がありますが、XVは同じフルレンジでもサイズが巨大な印象ででスケール感が違いました。
また、新しいツイーターは非常に解像度が上がっているようです。ただ、今までのソフトドームとはキャラは少し違って、キツさは出やすいような感じも。今後、ツイーターのアップデートがあるかも知れませんが、質感の違いから交換は悩みそうです。
# まとめ
Sonja XV はJr.でフルXVもありますが、ウーハーが2カ所に分かれるとセッティングの難易度があがるような気もするので、Jr.の方がサイズ的にも使いやすいのかも。ポン置きでもアンプが力不足でも相当なレベルで鳴っていました。ただ、能力が非常に高い分は、追い込んでキッチリ合わせるのは相当大変そう。その分は、合ったときは本当に恐ろしい音で鳴りそうです。私は色々な面で導入難しいですが、実際に導入されて鳴らされている音を是非聴いてみたいと思いました。
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コメント
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ご無沙汰しております。こちら、私もSISの店頭でAUDIAとのセットで拝聴しましたが、低音域の表現力におったまげました。AVALONともWILSONとも異なる重厚感と切れ味を両立したサウンドは圧巻でした。無理やり課題を上げるなら、スピード面では拙宅のWILSON&SPECTRALモノラルが圧勝だったので(その分、音は軽いですが)、そのあたりどのアンプと合わせるとカバーできるのかが気になります。
ちなみに、スペクトラルとAUDIAの双方でお聴きかとお見受けしますが、違いの方はご記憶でしょうか?失礼でなければ、お聞かせいただきたいところですm(_ _)m
投稿: ロメオ | 2017年7月12日 (水) 15時10分
補足ですが、スピードという表現、主に音の立ち上がりについて述べています。音の立ち下がり(締まりや切れ味)はもの凄く良いスピーカーだと思いますゆえm(_ _)m
投稿: ロメオ | 2017年7月12日 (水) 15時12分
ロメオさん、ご無沙汰です!
さっそくのコメントありがとうございます。あのWILSONの存在感も半端ないですよね!AUDIAは、モノパワーだけあって駆動力とかあると思うのですが、率直に言うとSonjaには合わないかなぁ?と言う感じでした。もっと、ゆったりと鳴るタイプのスピーカーの方が良さそうな印象ですね。3回目がAUDIAだったんですが、マッタリした感じでトホホな感じでした。
クレルの時はパワー不足で駆動しきれない感じでしたが、意外とまとまって聴かせてくれました。スペクトラルの時は、設置直後だったんですが、一番駆動出来ていたように思います。個人的には、スペクトラルかAyre MX-R のバイアンプで鳴らしたのを聴いてみたいですね。ぜひ、Alexandria XLFやり尽くしたら、Sonja XV試されて下さい!
投稿: オーディオ目玉親父(messa) | 2017年7月12日 (水) 17時31分