Balanced Audio Technology REX II Preamplifier レビュー
Balanced Audio Technology(BAT)から発売されているプリアンプのトップモデル。定価は25000ドル。おそらくは日本に1台しか無いかと思います。旧フラッグシップのVK-5xシリーズが2筐体モデルに進化してREXとなり、2013年にREX IIにモデルチェンジ。まだ米国でもレビューは少なく人気無いのか?と心配になりますが、素晴らしいプリアンプです。導入して9ヶ月を過ぎて鳴ってきたと思うので、レビューを公開することにしました(^^)/
導入の経緯
以前はオーディオリファレンスがBAT製品を取り扱っていましたが、残念ながらひっそりと撤退済みのようです。旧REXも試聴したことは無かったのですが、他社のプリアンプを幾つか聴いてもピンとこず。。。そうしている間にアメリカの販売店で展示処分の黒いREXを発見。VK-51seを上回るのはREXIIだけだと信じて、メーカーにて100V仕様、REX IIへアップデート、ついでにシルバーパネルに変更もして頂いて導入。ちなみに、届いたときは配達を待っていられずFedexの基地まで引き取りに行きました(^^;)
外観・オプションなど
正直に言うと初めてVK51se見た時は…と思いましたが、もうすっかり見慣れました(^^;) 全面ブラックと写真のシルバーモデルが選べます。ブラックも精悍ですが、自分はシルバーパネルが好み。見た目はVK-51seとソックリなので、同じか筐体と思っていましたが、ケースの厚さは2-3倍に。かなり剛性は上がっていて嬉しい誤算でした。2筐体(コントロール部と電源部)構成ですが、単純に片方が電源部という回路では無さそう。2筐体の間は2本の専用(たぶんSpeakON端子)ケーブルで接続されます。ここは落ち着いたらオーグラインですね。注文時にメーカーに聞いたら、必要なら納入時に長いケーブルを付ける事も出来るとのこと。
オプションとしては、電源?用の真空管を6C19(標準)から、追加料金で6H30or5881に変更可能です。ただ、お店の方曰く推奨は6C19とのことなので、私も6C19のままにして貰いました。
使い勝手
ボリュームは140段階で微調整可能で、表示形式も選択出来ます。端子は全てバランスで入力5系統、出力は2系統です。入力毎に表示も設定可能で、リモコンもあり普通に便利です。ただ、2筐体共に電源ケーブルが必要で、コントロール部220VA 電源部250VAというパワーアンプみたいな消費電力(^^;)
サウンド
まず、電源部の整流管を6C45か6H30を内部のスイッチで選べるようになっています。6H30の方が響きが豊かでリッチな感じでした。合う曲は非常に魅力的ですが得て不得手ありって、Sonus faberの様なイメージ。一方の6C45の方がキレがあって万能タイプなので、今は6C45にしています。
以下の印象は、主にVK-51seとの比較とパワーアンプの自宅視聴を通しての感想です。十二分にワイドレンジで、十分沈み締まる低域と伸びやかな高域。中高域にかすかに甘美な響きがあるかも。解像度が高く、粒子もかなり細かいが、キツイ音にはならない。色彩感はかなり高い。空間は自然に広がっていて、かなり広い。立体感も非常に良く、三次元的で音は前にも来る。音像は素晴らしい。彫りが深くグッと締まる。優秀なS/Nで、音の消え際が繊細で魅力的。音が染み入るような感じがあって、ボーカルが非常に魅惑的で麻薬的。…ってべた褒めですね(^^;)
イメージとしては、KX-R Twentyほどの分かりやすい鮮鋭感は無く、音の質感はVIRGO IIよりだと思います。一方で、VIRGO IIのように音が磨かれるような感じはなく、音は速くストレート。Ayre的な空間表現にVIOLAを連想するような色濃い音像を伴うので、BATの音色・質感が気に入れば他に考えなくて良さそうです。
導入時に比べたところVK-51seは、Ayre K-1やVIOLA CATENZAと競えるレベルと思いました。REX IIは、VK-51seと比べるとオーディオ的にかなりレベルアップしており、おそらくKX-R TwentyやVIRGO IIに勝るとも劣らないレベルだと思いました。REX IIは真空管のアンプを作ろうとした訳で無く、真空管を最善のデバイスと判断して最高性能のアンプを作ろうと生まれたアンプだと思います。
メーカーサポート体制
日本に代理店無いので修理はアメリカに送らないとダメです。海外に修理に出す方法とか記事にしてますので参考まで。HPをみると修理は平均7日遅くても15日ということですが、自分が修理に出した時はアメリカから1週間ぐらいで戻ってきて驚愕しました。残念ながらVK-51seは対象ではありませんが、VK-52seからはREXIIまでのアップグレードが可能となっていたり、メーカーサポートは良さそうです。大手の代理店がプロモーションすれば、国内でも人気出ると思うんですが。。。
参考:
TheAbsoluteSoundのレビュー記事(REX II)
Stereophileのレビュー記事(REX)
Stereophileのレビュー記事(VK-51se)
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コメント
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昔輸入されていましたよ。だめでしたけど。
ハイエンド系球アンプは難しいようです。
投稿: インコ | 2015年8月17日 (月) 13時07分
より微細でかつダイナミックな増幅ができるプリアンプということですね。
電源部を徹底的にブラッシュアップしかつ強化している効果は絶大なんでしょう。
ぜひ、ハイレゾ音源なども試していただき、レポートいただければと思います。
改めて、REXIIの導入おめでとうございます!
投稿: jitan | 2015年8月17日 (月) 20時32分
インコ様
おはようです。初めましてかな?コメントありがとうございます。
取り扱いはオーディオリファレンスのことですか?私もVK-51seはオーディオリファレンス扱いの物です。確か51の次世代VK-32seはデモ機もあったような。プロモーションしていたのは、その頃までかな???
ハイエンド系球アンプは難しいのですか?確かに、他にパッと思いつくのはオクターブぐらいですね。VK-51seは導入して10年ですが、問題なく使えているので寿命が短いってことも無いと思うんですけど。。。
投稿: messa | 2015年8月18日 (火) 09時55分
jitan様
おはようです。早速のコメントありがとうございます(^^)/
VK-5xに真空管で組んだ電源部を追加したような構成なので、REXIIはS/Nや解像度・情報量が向上して表現力が上がっていると思いました。ハイレゾ音源というかSACDだと、より長所が生きる感じです。とは言え、VK-51seも素晴らしく、やや甘くなる分より元気で活発な感じ。CDPが以前のX-01であれば、VK-51seが楽しいと感じる音楽も多そうです。
あと、BAT NOSTubeというのもオファーが来ました。素晴らしいとのことですが、1本300$というので躊躇しています(^^;)
投稿: messa | 2015年8月18日 (火) 12時48分