Nordost Odin power cord 試聴＆レビュー （偽物情報あり）

　ご存じノードストのトップラインであるオーディンの電源ケーブル。1.25mで10,999ドルという凄い値段です。電源ケーブル好きとしては是非とも試してみたい逸品ですね。なかなか試せずにいたところ、ロメオさんからお借りすることが出来て自宅でじっくり試させて頂きました。ロメオさんいつも感謝です。ちょっと腑に落ちない部分もあったんですが、先日改めて違う環境でも聴けたので、レビューを載せることにしました。

【外観など】
　上の写真はCrystal absolutedreamと。下の写真はメーカーのHpからお借りしました。ラインナップは性能面から1.25mの次は2.5mとなっており、ちょっと長さ的に使いにくい感じですね。ケーブル自体はXLRと見た目的には同じような感じで、プラグはフルテックです。ただ、XLRとかがカスタム版なのに対して、見た目は市販品（FI-50）と同じ。そのため中華な偽物とかもネットの写真だと容易には判別出来ず、中古で見かけても購入に踏み切れませんでいた(^_^;)　あと、FI-50が困りものなのは、プラグが大きすぎて２個口の壁コンセントに２本刺さらないところ。なお、ケーブル自体は特に太くは無く、普通に曲がるので取り回しは良好です。

【音質レビュー】

　お借りしたのは、1.25ｍです。長さ的な面からScarlattiのTransportで試しました。フル装備のAugline 電源ケーブルから置き換えると。。。

　解像度は増しfocusは良くなって立体感もアップ。キレとスピード感もAuglineを凌ぎますね。さすがです。一方で、S/Nは同レベルで上下のレンジも同程度かな。左右の空間も期待に反してそれ程大きくはならないようです。音色はややクールですが、明るさは同程度。情報量も多いと思うんですが、ちょっとスッキリ気味でボーカルは物足りない感じもしますね。

　続いて、価格的に同レベルなCrystalcableのAbsoluteDreamに。初めて聴いた時は信じられなかったんですが、こちらの方がキレは一枚上手で、解像度やFocusも明らかにクッキリ。あのOdinが寝ぼけて感じます（*_*）　明るさは全体に少し明るくなるんですが、AbsoluteDreamが特徴的なのは明るさのピークが伸びること。強い光でも光のあて方をちゃんとすれば、 照らされた彫刻の彫りや陰がより深く濃くなるように、元々の音像さえちゃんとしていれば明暗のコントラストは強く表現されますね。

　疑念を感じつつOdinに戻しても、やはりピントが甘く寝ぼけたようになってしまい立体感が損なわれ、モノトーン気味な音色と相まって凄みが感じられません。。。とは言えレンジは共にトップクラス。低域は締まってキレとスピードが抜群です。AbsoluteDreamと比べるとFocusが甘くなる分は、奥行き表現は一歩後退。音像の立体感・陰影感も弱く、ややモノトーン。AbsoluteDreamの包み込むような感じは無いのですが、左右の空間自体はやはりOdinが勝りますね。もちろん情報量も共に最高レベルです。

＜まとめ＞
　Nordost Odin PowerCordは、もちろんトータル的にNo1レベルで凄い性能なのですが、電源ケーブルではAbsoluteDreamの方が凄みを感じました。一緒に比べたAuglineは電源ケーブルが（も？）出色の出来だと言うこともあると思いますが、Odinが性能的に引き離せていない感じです。

　XLRだとOdin とAbsoluteDreamは、どちらを繋いでもハッとする良さがあって、それぞれ素晴らしいんですが、Odinの電源ケーブルはインコネ程には凄みが感じられなかったです。Odinファンとしては予想外の事態に動揺して、ちょっと信じられませんでした。家ではTransportからDACもPre-PowerもOdinを常用しているため、電源にOdinを追加しても効果が弱くなっているのかも知れませんが。。。

　ちょっと自信が持てずチャンスを待っていたのですが、別な環境で聴くことが出来ました。Odinが入っていない環境に電源ケーブルだけ入れると、やはり効果は強くなる印象ですね。ただ、やはり電源ケーブルよりはインコネなどの方が凄みを感じるかも。金額的にもアレなので、導入にはやはり熟考が必要(^^;)　電源については、新しいOdin2に期待ですね。

【補足】中華なサイトに偽物が300ドルぐらいで、大量に出ています。電源は（XLRと違い）プラグがフルテックの既製品と（少なくとも見た目は）同じなので、偽物のハードルが低いみたいです。何故かカタログ（電源ケーブルはインコネと違って1.25mと2.5mです）にない1.5ｍとか2mが多いです。とは言え、1.25と2.5mも油断できないと思いますのでオークションなどは慎重に。

1）偽物も何種類！かあるようですが、これはかなり精巧なに出来ているように思います。

2）上は1）と違う中華ショップですが、工房は同じかな？精巧に作っていますね(^^;)　このレベルで偽物が製作されていると、オークションの写真とかで真贋を判定するのが困難かと。困ったもんですね。

3）こちらは上と比べると、ケーブルの部分が明らかに違うので分かりやすいですね。こんな補足を書かないといけないのは悲しいですが。中華な偽物ケーブルが蔓延するのは残念なことですね。。。（2016.01 追記）