YG ACOUSTICS SONJA 1.2 vs B&W Nautilus802 比較レビュー
X-01 で久々に音楽をたっぷりと聴いて、記憶の中(物理的にはコレを書いている斜め後ろに控えていて、我が家での存在感は思いっきりあります)のB&W Nautilus802とYG Sonja 1.2を脳内比較試聴をしてみました。
システム構成は
- CDP : Esoteric X-01 ver.up D2 (dCS Scarlatti)
- Pre : BAT VK-51se
- Power : Ayre VX-R & MX-R
- SP : B&W Nautilus802 or YG Sonja 1.2
で変化無く、基本的なケーブル類も変わっていません。あと、この後にN802も再稼働させたので、印象など追記しています。
# YG ACOUSTICS SONJA 1.2
【SPEC】
密閉型3ウェイ スピーカ システム
偏差 可聴帯域 :+/-0.7dB以下 左右チャンネル:+/-0.2dB以下
ユニット間位相誤差 可聴帯域:5度以下
フィルタ YG ACOUSTICS社製 DualCoherent. 1.75kHz/65Hz 24dB oct
インピーダンス 通常4Ω ミニマム2.7Ω
周波数特性(可聴帯域にて±0.7dB)
Sonja 1.1 : 55Hz~40kHz
Sonja 1.2 : 17Hz~40kHz
Sonja 1.3 : 14Hz~40kHz
音圧レベル 87dB/2.83V/1m
寸法(W x H x D/mm) Sonja1.2 :330(最大) x 1,285(スパイク含む) x 635
重量(Kg) 146kg
【仕様・外観など】
密閉型の3ウェイ・4スピーカー。創業者の奥さんの名前が付けられた10周年記念モデル。ラインナップにはウーハーがもう一つ追加されたSonja1.3とウーハーが無いSonja1.1があります。ちなみにSonja1.2で高さ1285mmで146kgと結構なサイズなので、Sonja1.3の1775mmで229kgはかなり設置環境を選びそうです。
ボディも厚いアルミ合金ですが、ミッドレンジとウーハーもアルミ合金削り出しで、ソフトツイターはミッドレンジとウーハーのエッジと同じ材質だそうです。なおソフトツイーターであれば端から振動板まで同じ材質に出来るが、ダイヤモンドなどのツイーターにすると接合部にゴムなどの異素材が必要で、これが歪みにつながると言う考えからソフトツイーター を採用したそうです。
色はシルバーも選べるようですが、黒が標準。ガンダムの足みたいだったANATをポルシェデザインが磨いて、見た目も艶やかで洗練されました。奥行きは少々大きくなりますが、Nautilus802と設置サイズはそれ程変わらず。ツイーターの位置はむしろ802より低い位置なので、B&W 800か802が置ける環境なら大丈夫そうです。
【サウンド】
Ayre
VX-RとMX-Rのバイアンプで鳴らしている部分もあると思いますが、高域から低域まで音の立ち上がり&立ち下がりとも非常に早く揃っており、高域から
低域まで非常に音がハイスピードでキレる感じ。ただ、低域はハイスピードすぎて、量感を出すタイプではありません。上下左右の空間は当たり前のように広い
ですが、奥行きの表現力が高いと思います。解像度も非常に高いのに、ソフトツイーターのためかキツさを感じません。
そのためか音が全域で非常に揃う感じを強く感じます。感覚的には非常にワイドレンジでフラットなフルレンジスピーカーという感じでしょうか。 B&Wと同じで艶や響きなどの個性は出さずに、忠実に音を出すスピーカーです。それも極限まで。癖というか特徴を挙げろと言われれば、非常に音が細かく、 高域から低域までハイスピードで音色も揃っており、そのために非常に滑らかに感じます。音像か音場かだと音場型だと思いますが、ディテールを突き詰めるこ とによって音像の迫力も表現できると思います。「細部に神は宿る」という精神のスピーカーだと思います。
# B&W Nautilus802
【SEPC】
3ウェイ/4スピーカー/バスレフ方式/フロア型
ユニット 低域用:20cmコーン型×2 中域用:15cmコーン型 高域用:2.5cmドーム型
周波数特性 27Hz〜30kHz -6dB 34Hz〜22kHz -3dB
周波数レスポンス 39Hz〜20kHz ±2dB
出力音圧レベル 91dB/2.83V/m
公称インピーダンス 8Ω
クロスオーバー周波数 350Hz、4kHz
外形寸法 幅385×高さ1,106×奥行548mm
重量 70kg
【仕様・外観など】
こちらは、3ウェイ・4スピーカーのバスレフ型で、足下にバスレフポートがあります。高さは1106mmで重さは70kgで、Sonja1.2と比べて軽いことは軽いですが、横幅もありサイズ感は同じくらい。見た目は好き好きあると思いますが、うちのレッドチェリーは深みがある良い色で、ちょんまげも愛らしい出で立ちです。遙かに昔に、Stereo Sound誌(当時は掲載されている値段を見てギャグ雑誌だと思っていた・・・)のC/Pが高いとのコメントを見て、車みたいな値段なのにC/Pが高い!?と本屋で驚いたのを覚えています。まさか家に来るとは夢にも思わず。我が家のは後期型で後ろにつなぎ目が無いタイプで、後ろ姿も艶やか。ただし、標準はあからさまに音が悪そうなキャスター付きなので、スパイクかCerabaseに変えないとダメですね。
現行の802SDなど違って、アンプの駆動力を要求するタイプだと思います。802Dと比べてウーハーをちゃんと動かすにはパワーが必要でした。ただ、動かしにくい分は止まりやすいので、動かせればキレは得られると思います。ポテンシャルは大きく上流とアンプによって、かなりの所まで表現力を上げていくスピーカーだと思いました。
【サウンド】
Ayre VX-R & MX-Rのバイアンプ体勢で鳴らして、中高域の解像度やスピード、空間表現はかなりのところまで表現出来たと思います。どうしても低域の早さは限界があるのですが、重く量感のある低域は出せると思うので、クラッシックにはむしろ良いのかも。
高域は解像度を上げていくとキツさが出やすい感じがありますが、セッティングやアクセサリーで調整可能でした。音色や温度感はニュートラルで、濃い音像とか艶や色気を乗せるタイプではありません。しかし、Sonjaに比べると肌合いのいい優しく柔らかで暖かみのある音で、絶対的な解像度こそSonjaに及びませんが、聴いていてリラックス出来る愛らしいスピーカーです。
基本的には高解像度で空間表現に優れ、あくまで前段の個性に忠実な音を出すタイプだと思います。Avalonの上級機ほどの空間定位や解像度は無いと思いますが、比べると音像も出るので(アンプの能力が必要な点を除くと)使いやすいスピーカーだと思います。
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